カテゴリ: お遍路1巡目

昨年の春、「元気になるために」、とにかく歩いてみようと始めたお遍路だった。1回目はお試しの5日間のお遍路だったが、私ははまってしまった。難しいことは何もない。右足、左足、と足を運べば前に進める、その単純さが私には合っていた。そしてなによりも遍路道は優しさに満ちている。道しるべが、会う人が、自然が、優しく包み込むようにネガティブな私を受け入れてくれる。次第に心が温かさに満ちてくる。遍路道にある時、一人ではないと感じる。これからも歩けるうちは歩き続けたい。私にとってお遍路は救いである。
 
次は来年の春、行けるといいな。いつか「通し」で、何も決めないで歩いてみたいと思う。

10月24日(木) 晴れのちくもりのち雨
 
台風の影響で、今日は1日中雨の予報だったが、朝少し晴れていた。
 
今日は、少し高野山を散策して、大阪まで行き、高速バスで松山の家まで帰る。
今日で、約2週間のお遍路は一応の区切りとなる。
 
5:15  起床
 
5:55  お勤め  何人ものお坊様の読経が素晴らしかった。
 
御住職さまの後、執事の方の法話。とても分かりやすく楽しく話してくださった。今ここにあることは奇跡にちかく、尊いことである。人はお互い支えあって生きている。暖かい言葉で相手を思いやり、自分のことも褒めて励まして感謝して生きましょう。というようなことだったかな?
 
7:15 部屋に帰ったら布団が片付けられて朝食のお膳が用意されていた。
 
8:00  法話でお話してくださったお坊様と少しお話することができた。「娘さんのことは受け入れましょう。娘さんの分も生きてください。」暖かく話してくださった。そして見送ってくださった。
 
近くの刈萱堂まで歩いて行ってみた。
 
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一の橋を見落としていたので行ってみる。
 
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浪切不動尊まで歩いて、来たバスに乗って、高野山駅へ。
 
南海電車に乗って、橋本で乗り換え、難波駅へ。
 
JR難波駅のバス乗り場(OCAT)まで行き、近くのうどんやさんで昼食。
 
1:35のJRバスで松山へ。3列のほぼフラットにになる座席で快適。
 
2箇所のサービスエリアでトイレ休憩。徳島道、松山道を通る。松山で高速を下りてからが少し混んでいた。
 
7:15 少し遅れて松山JR駅 雨が結構強く降っている。 クックチャムで安くなった坊ちゃん弁当を買ってタクシーで家に。  お疲れ様でした。ありがとうございました。
 
 
 
 

10月23日(水)雨  台風の影響で雨
 
いよいよ高野山へ
 
5:30  起床 前日買っておいたサンドイッチなどで部屋で食事。豆乳の青汁もある。
 
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7:00  チェックアウト
 
7:20  高野山行きの南海電車に乗る。
 
電車で隣り合わせた女性と話をする。山林セラピーをしていてこれから高野山に行くそうで登山の格好をされていた。60歳で仕事を辞めて、登山を始めた。アルプスなどの山も登った。人生に目標を持つことは大切。今は高い山はやめて山林セラピーをしている。山林セラピーのこと、高野山のことなど、いろいろお聞きすることができてよかった。
 
極楽橋から、接続しているケーブルカーに乗る。ケーブルカーが斜めに留まっている。すごい角度で上がっていく。
 
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5分くらいで高野山駅。9時10分。
 
雨も降っているし、とりあえず宿泊予定の大円院宿坊にバスで行くことにした。小田原通バス停のすぐ前だ。そこで荷物を置かせてもらって傘もお借りした。高野山の地図が載っている案内の冊子をくださった。
 
9:45  さんや袋と地図を持って大円院を出発。
 
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少しだけ木々が色づいている。
 
 
まず奥の院にお参りに行く。歩いてすぐ一の橋。お参りする人、観光客の人でいっぱいだ。外国人の人も多い。
 
大きな木があって両脇にはお墓がいっぱい。やはり静謐な雰囲気。
 
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中の橋
 
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数々のお墓に歴史を感じさせられる。宗派を問わず受け入れている。
 
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10:40 御廟橋  ここからは写真撮影できない。お参り。納経帳に朱印をいただく。
今でも弘法大師さんはそこにおられるらしい。お四国参りができたことへのお礼を申し上げる。夫はお接待を受けた時にお預かりしたものを納める。
 
奥の院前からバスに乗り、千手院までバスで戻る。高野槙を売っているところがあったので記念に1本買う。送ってもらうようにした。
 
食堂に入って昼食をとる。親子丼とコーヒー。
 
金剛峰寺にお参りに行って、納経。納経帳の一番初めに高野山のところがあるが、その裏にしてくださった。
 
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 根本大堂 
 
 
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金堂
 
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御影堂
 
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大門
 
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大門からバスで宿坊まで帰ることにする。私は途中、千手院で降りて、お土産を買ってそこから歩いて帰ることにした。高野豆腐、ごま豆腐、孫たちへのお守りなどを買う。
 
大円院には4時ころに帰って、お部屋に入る。夫は一足先に帰っていた。
 
部屋は2階の睡蓮の間。お風呂をいただく。大きなお風呂でゆったりとひとりで入る。
 
食事は若いお坊さんが部屋まで運んできてくださる。ここの精進料理を楽しみにしていた。食べるのがもったいないような美しさ。ここの板前さん?が腕をふるって作ってくださっているらしい。
 
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お布団まで敷いてもらって恐縮。訊くとお坊さんは高校に行っているのだとか。住み込みで修行しながら高校に行っておられる。
 
明日のお勤めでの娘の供養をお願いしておく。
 
もう明日は帰るので洗濯はしない。少しだけ暖房を入れた。
 
一度は来てみたかった高野山。もっとゆっくり来てみたいものだ。
 
 
 

10月22日(火) くもりのち晴れ  約16キロ  (32620歩)
 
今日、とうとう結願の日だ、と言っても特に感慨はないかな。あえていうなら、やっぱり感謝かな。それと終わったという一抹のさみしさ?
 
本来なら1番の霊山寺か10番の切幡寺に行くべきかもしれないが今回は失礼することにした。いつか1番まで歩くこともあるだろうか?1日はかかるらしい。
 
夫は長尾寺から大窪寺までバスがあるというのでそれに乗ることにする。大窪寺少し前の竹屋敷くらいから歩く。宿はゆっくり出る。
 
5:40 起床
 
6:20 「朝食、できました」で食堂へ、すぐに出れるように荷物は玄関に置いておく。
 
6:50  出発。もう出ている人もいる。
 
年配の女性が声をかけてくださる。「天気が良うてよかったな。もう最後やな。」
 
学校に行く小中学校生と挨拶をかわす。
 
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 お月さま。
 
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川沿いを行き、前山ダム湖。女体山越えの男性が向こう岸を歩いて行くのが見えた。
 
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8:05  前山おへんろ交流サロン。韓国の女性がすでに着いておられた。お茶とお菓子をいただきながら、「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」なるものをいただいた。第477号だ。「結願の四季」というDVDもいただいた。無料だ。こういう風にして皆さんが「遍路」を守っていかれようとしている。
 
大窪寺への地図をいただいた。大窪寺へは5ルートある。車道を通る予定にしていたが、女体山越えではない遍路道があるという。少し上りはあるものの舗装された道だそうだ。車道を通るよりはその方がずっといいのそちらにすることにした。
 
韓国の女性は多和神社を通っていく女体山越えを行かれるらしい。
 
8:20 おへんろ交流サロンを後にする。ここから11キロで約2時間50分とある。
道しるべがあるので、ありがたい。
 
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見晴らしのいい所に出る。
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9:15 休憩所があったので休んで行く。鳥や虫の声がするだけで静か。涼しい。
 
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夫から、竹屋敷に着いたと電話がある。夫はバスから、車道を歩いているであろう私を探したがいなかったと言っていた。遍路道を歩いたからね、ごめんね。
 
この道を通るのは後にも先にも私ひとりだと思っていた。何か音がするような気がした。軽やかにリズミカルに杖をつく音。後ろをみるとお遍路さん!
 
若い男性。「今日は結願ですね~。うれしいな~。」本当に体中から嬉しさが溢れていた。今日は志度から荷物を置いて歩いてきたそうだ。やはり大窪寺から志度に戻って大阪に行くと言っていた。ずっと通しで野宿をしてきたそうだ。自炊もしていたそうで、大変だったようで、これで終わり、家に帰れると思うと嬉しいのだそうだ。やはり野宿は大変だろうと想像はつく。炊いたごはんとインスタントの味噌汁だけの時もあって節約した結果、お金が少し余ったので、最近は宿に泊まったりしているという。
 
彼は野宿の話、お遍路の話、仕事の話、生き方、インドのこと、仏教のことなどいろいろ話してくれた。私一人が聞くのはもったいないような話をいろいろしてくれた。
 
荷物もないし若いので先に行ってもらおうと思ったが、急いでもいないし話をしながら行く方がいいというので、大窪寺までいっしょに歩いた。本当にいろいろな話をした。歩いている間、ほとんど話をしていた。確かに話をしながら歩くと時間が早くたつ。私がほとんど聞き役であったが。
 
9:55 細川家住宅  昔の古民家? 中にはいろりや農機具がおいてあり、昔の生活のおもかげがあった。
 
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車道を通って、遍路道を通ってあっという間に大窪寺。
 
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 11:15  大窪寺、着。夫と合流。
 
仁王門でお互いの写真を撮ったりする。いっしょに参拝。四国では最後のお経になる。
 
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野田屋で昼食。私は赤飯結願定食、夫は打ち込みうどんを注文する。
 
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首輪をつけた捨て犬がいる。人の前に行って、お座りをしては上を見上げて「私にどうか食べ物をください。できたら私をもらってくれませんか?」と言っている。何かたんぱく質系のものをあげたいが持ち合わせがないし、おみやげにもそのような物を売っていない。しかたないのでソイバーをやってみたが食べなかった。野田屋の人はその辺の人に食べ物をもらっているから大丈夫ですよとは言っておられたが。
 
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大きな山茶花の木があり白のきれいな花を咲かせていた。菩提樹の木もあった。5月頃、大きな白っぽい花を咲かせるようだ。
 
13:30  コミュニティバスで高速志度まで行く。1時間程で志度に。バスから降りてから階段を上がれば高速バスの乗り場になる。
 
14:32発の大阪行きに乗る。遅れてきたので丁度よかった。予約をしていなかったので手続きに少し時間がかかって申し訳なかった。
 
鳴門大橋、明石大橋を通っていく。
 
17:30 難波JR駅。都会だ!とにかく人が多い。今までと次元が違っていて別世界にいるようだ。娑婆世界?
 
18:00頃 ホテルにチェックイン。コインランドリーは歩いて7分くらいの所。地図をもらって食事に出る。コインランドリーにも寄っていく。いろいろ食べ物屋さんはいっぱいあるが、ご飯屋さんに入る。夫はさんま定食、私はチキン南蛮定食にする。
 
コインランドリーに寄って乾燥機20分を待って、もって帰る。
 
22:00  就寝  明日は高野山だ。
 
 

10月21日(月)くもり後晴れ  約24キロ  (46685歩)
 
5:00 起床 冷蔵庫からサンドイッチなどを出して一人で先に朝食。今日は歩く距離が長いうえに山が2つあるので宿を早めに出ることにする。フロントに「もう一人は、ゆっくり出ます。」とメモを残す。明日早く出ると言っていたので。夫は後からゆっくり電車で志度寺まで行く。
 
5:50  出発。外はまだ暗い。前のコンビニで1個だけおにぎりを買っておく。
 
あの台形の形をした山が屋島?
 
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遍照院を過ぎて登り口のところに「同行の杖」が置いてあったので1本お借りする。
 
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道は上りではあるけれど石畳になっていて歩きやすい。地元の方が何人もウオーキングされている。
 
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6:50  屋島御加持水 
 
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食わずの梨?
 
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7:15  畳石 西行法師の歌
 
        「宿りして ここに仮寝の畳石 月は今宵の主なりけり」
 
弘法大師さんも西行法師も歩かれた道なのだ。曼荼羅寺だったろうか、西行法師の足跡があった。
 
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7:30-8:10 屋島寺 参拝
 
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休んでいる地元の方が何人か声を掛けてくださる。 「どこから歩いとるん?」 「59番からです。」「じゃあ、ここまで12日目くらい?」「はい。」すごい、ぴったりだ。お遍路をされたことがあるのだ。
 
下りる時に、遍路道は雨が降ったあとなのでとても滑りやすいので、遠回りでも来た道を戻った方がいいとアドバイスしてくださった。迷ったが遍路道を行くことにした。が後で少し後悔した。
 
下に見えるのが壇ノ浦らしい。向こうの山が八栗寺のある山?
 
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この後、遍路道に入ったが、ほんとうに滑りやすく恐かった。ところどころ縄が張ってあって助かった。これがなければ到底下りれなかった。すごい神経を使ってそろりそろり下りたがそれでも2回ほど滑ってころんだ。
 
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9:00  舗装してある道に出た時は本当にホッとした。
 
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9:35  州崎寺にある信念さんのお墓
 
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10:00  八栗ケーブルの登山口  トイレがあるのでザックを下ろして少し休憩。
 
上り始めたら草もちを売っているところがあって1ついただく。その場ですぐ作ってくださってまだ暖かかった。「大きくしておいたよ。」と。
 
すぐに休憩所があって、そこの女性が丁度バイクで来られたところだった。「おへんろさ~ん、休んで行かれませんか?」と言ってくださったが、休んだところだったので、お礼だけ言って失礼させていただいた。翌日、ある男性といっしょになった時、ここでゼリーなどたくさんの手作りのものをいただいてとてもおいしかった、と話題に出たので、惜しいことをしてしまった。
 
舗装してあるきれいな道を上っていく。夫から志度駅に着いたと電話がある。
 
10:35ー11:10  八栗寺 参拝  
 
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道しるべの石
 
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11:50-12:20  二ツ池親水公園でお昼休憩にする。亀が甲羅干しをしている。なるだけ陰を選んでベンチに座る。まだまだ日なたは暑い。八栗寺のケーブル口で買った草もちが手作り風でとてもおいしかった。池で若い男性が釣りをしていた。
 
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11号線に出る。
 
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海に近くなった。
 
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13:30-14:10 志度寺 夫といっしょに参拝 夫がベンチに座って待っていた。このあたりを散策していたらしい。平賀源内邸は残念ながら月曜日で休館だったらしい。お寺の石庭などを見学していたらしい。
 
 
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本堂のそばで、飴をおせったいしてくださった。ボランティアでされているらしい。
 
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 納経所でお茶をいただく。夫はお寺の奥さん?と石庭の話をしていた。竜安寺の石庭をみている人と同じ人がこの石庭を造られたということだった。
 
夫はこのあと、電車で「造田」あたりまで行くと言っていた。そこで合流していっしょに長尾寺まで歩く。
 
少し離れているが郵便局に行ってお金をおろしておくことにする。
 
15:00  荷物は下ろさずに陰で少し腰を下ろす。3号線を行くが、西日が当たってとても暑い。笠の下にに手ぬぐいで顔を覆ったら少しやわらいだ。
 
学校帰りの小学生とあいさつをかわす。
 
3:50  休憩所で夫と合流。座っていたら、車で通った人が両手一杯の飴をくださった。お遍路さんを見かけたらお接待をせずにはいられないのだそうだ。いろいろな飴が入っている。飴は舐めながら歩けるしとても重宝する。
 
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16:25 長尾寺 先に納経をしてもらう。夫といっしょに参拝。
 
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すぐ前が今日の宿、ながお路。玄関で声を掛けたら男性が出てきて「お杖を洗ってきましょう。」と言って洗ってきてくださった。
 
お風呂もすぐ入れるとのこと。お風呂が二つあるので、それぞれに入る。
 
17:40  インターフォンで「夕食ができました。」ということで別棟の食堂に行く。
 
今日は四国最後の宿になるし、明日結願になるのでビールをいただくと決めていた。座卓の方に私たち夫婦。椅子席にそれぞれ歩き遍路をされている5人の方。
 
韓国から来て「通し」であるいている若い女性、北海道の人、明日は大窪寺のあと、すぐに1番まで行く人、あと二人。
 
ご主人に明日の大窪寺までのルートについていろいろ訊く。時間はかわらないので距離的には遠いが車道を通ることにした。
 
洗濯をして就寝。明日はいよいよ88番、四国最後のお寺だ。
 
 
 
 
 
 

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